2013年04月24日

Tripod Solution Day 2013に参加してきた

日帰りの東京出張で、Tripod Solution Day 2013(TSD2013)というイベントに参加してきた。仙台の新興ベンチャー企業トライポッドワークス株式会社のプライベートイベントで、自社製品の紹介や事業計画などをパートナー企業向けに発表するもの。毎年開催されていたらしいが、私は今回が初めての参加だった。過去に少しだけこの会社と縁があって、仙台の本社にも一度だけ行ったこともある。

TSD2013の開催場所は秋葉原UDX内のUDX Gallery。2005〜2006年を境に秋葉原駅周辺は近代的な姿に様変わりしてしまったが、その秋葉原のシンボル的な存在となっているのがこのUDXビル。UDXの秋葉原駅側には大型スクリーンが設置されていて、アニメやPC製品のプロモーションビデオが再生されている。
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トライポッドワークス社はネットワーク・セキュリティ製品を中心に事業を展開している特色のある会社だ。特に、次の3つは競合製品がほとんどない非常にユニークな製品。

 GIGAPOD
 MAILSCREEN
 DirectPOD

いまはインターネットは世の中になくてはならない必須のインフラとなっており、次々と新しいプログラミング技術やWebサービスが登場しているが、そんな中インターネット経由の脅威も増大しており、最近のニュースで騒がれるように、サーバークラッキング、情報漏えい、PC遠隔操作など数々の事件が起きている。社内業務にインターネットを利用している企業のセキリティ対策製品の導入意欲は高まる一方で、この分野は年々急拡大している。トライポッドワークス社の製品はいずれも複雑な設定なしで導入できる物ばかりで、企業にとって導入時のハードルが低いのが特徴。このような時代のニーズにマッチした製品を持つ同社は着実に顧客を増やしており、ここ数年ネットワーク・セキリティ分野でメキメキと知名度を上げている。

TSD2013の前半(第一部)はネットワーク脅威とセキリティ対策のトレンド、同社の製品の利用シーン、そして研究開発事業などの紹介だった。プライベートイベントの定番的な内容だったが、いずれも良く寝られた講演で解かり易かった。後半(第二部)は佐々木社長による同社の今後の事業展開の紹介から始まり、次のお二方による特別講演と続いた。

 日本マイクロソフト株式会社 テクニカル・ソリューション・エバンジェリスト 西脇資哲氏
 山形大学 有機エレクトロニクス研究センター 副センター長 松田修教授

私は西脇氏についていままでまったく知らなかったのだけど、プレゼン指南書(本記事に貼りつけたAmazonアフェリエイトの商品リンクがそれ)を執筆している有名な方らしい。講演の半分はMicrosoft Windows 8、Surface RTOffice 365の紹介で、残りがプレゼンのキモについてだった。後半の内容は「なるほど」と納得させられるものが多く、もっと聞いてみたいと思った。立場上前半の内容を外すことはできないのだろうが、できたら後半の内容だけで講演をやって欲しかった。

そして、続く松田先生の講演はさらにすばらしい内容だった。ここ数年私が聞いた講演の中でナンバーワンかもしれない。他に類をみない独自の視点や価値観に基づく概念や仮説のオンパレードで、「こりゃー、スゲー」と唸ってばかりだった。受講者にも一番受けていた。ただし、残念ながら、こちらも時間があまりにも短すぎてエッセンスだけのショートバージョンになっていたので、ぜひフルバージョンの講演を聞いてみたいと思った。講演の最後に、松田先生が所属する山形大学 有機エレクトロニクス研究センター(ROEL)の紹介スライドを見せられたが、こんなすごい施設が米沢にあるなんて私はまったく知らなかった。世界中から有機エレクトロニクスの先端研究者を招聘して、同研究分野の国内でのフロントランナー的存在になっているのがこの施設らしい。施設内の設備も最新鋭のものばかりで研究者も世界のトップクラスが集まっているそうだ。自分の眼で確かめるために、このROELという施設をぜひ一度見学してみたいと強く思ったくらいだ(理系志望の高校生諸君。山形大学で有機エレクトロニクスを学ぶ。これは超狙い目ですよ。これから10〜20年後コンピュータやデバイス構成部品の多くは半導体から有機エレクトロニクス素子に置き換わっていくことが有力視されており、いままさに世界中の企業がこの分野の優秀な研究者やエンジニアを欲しがっている。さらに50年後位には有機トランジスタで構成されたCPUが出現して、攻殻機動隊みたいな世界が現実のものとなっているかもしれない。この分野の将来性は保証されていると言っても良いくらいだ。あと10歳若かったら、私はいますぐに米沢へ引っ越していたかもれない。それくらい私のアンテナがこの2つの組み合わせにビンビン反応している)。

話はそれるが、TSD2013の各講演を聞きながら、東北と信州のこの大きな差は一体何なんだろうと深く考えさせられてしまった。トライポッドワークスやROELみたいなフロンティア分野のITや研究に取り組んでいる企業や大学は信州は皆無だからだ。信州に存在するのは、「おこぼれIT」(下請け、人材派遣、受託開発など)しかやっていない企業や日和見的な分野の研究しかやっていない大学ばかりで、本当に情けなくなってくる。東京からの約2時間でアクセスできる地方という点では同じ条件なのに、東北と信州には上のような巨大な差が生まれている。やはり経済圏規模と人的交流の差が大きいのだと考えざるをえない。東北地方は青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の6県で成り立っており、信州地方は長野県1県しかない。長野県は周辺地域との交流がほとんどなくて完全に孤立した地域になってしまっている。TSD2013の最後に親睦会があって、こちらにも参加したんだけど、私が信州から来ていると言うと、「信州にIT企業なんて在るんですか?」と質問される始末。話をした相手全員から「信州はスキーや山登りなどで行ったことがあるが、仕事で行ったことは一度もない」と言われてしまった。TSD2013みたいなイベントに参加する度に、東京在住のITエンジニアに信州は自分達の仕事とまったく関係がない地域と思われていることを実感させられる。初対面の人との世間話では「どちらから来られているんですか?」というのは必ず聞かれる質問だけど、IT業界の人と話をする際に、私は「信州から来ています」と答えるときにすごく恥ずかしさを感じてしまう。「信州のIT産業」ついて話せる材料をまったく持っておらず、「そうですか、信州ですか。自然が多くて良い所なんでしょうね」とお世辞を返されて、それ以上話題が続かず相手との会話が終わってしまう経験を何度もしてるからだ(相手側も信州への興味をまったく持ってないからだろうが・・・。大多数の人が信州は農業と観光しか産業がない地域だと思っているみたいなので、こういう反応は仕方がないことなのかもしれない)。

また話が大きそれるが、秋葉原駅周辺が近代的な姿に様変わりしたのと時期を同じくして、秋葉原はアニメ、ゲーム、フィギャア、同人誌などのオタク文化の街になってしまった。秋葉原の中心地とも言える 旧T-ZONE本店が在った場所には、いまはドン・キホーテになっていて、その中にはAKB48劇場が入っている。メインストリート(中央通り)に面しているビルに入っいるのは、いまでは軒並みオタク向けの店ばかり。戦後に真空管やラジオ部品など電子部品の店舗が総武本線ガード下に集まって、いまの電気街の基になり、その後ずっとサブカルチャーのメッカだったので、秋葉原は店の入れ替わりが激しい地域だったが、時代の移り変わりとともに無線・オーディオ→電子・電気→パソコン→オタクグッズと短いサイクルで店が入れ替わり、いまや完全にオタク文化が秋葉原のサブカルチャーの中心な存在となっている。第2期の放映が始まったばかりの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』というアニメに登場するように、休日ともなれば、秋葉原はコスプレをした若者やオタクグッズを買い求める人々で溢れかえる。

UDXのビル内にも東京アニメセンターという施設が入っていて、常設的に最新アニメの展示会を開催している。TSD2013が開催されていたUDX Galleryと同じフロアにこの施設が在って、『革命機ヴァルヴレイヴ』という4月からテレビ放映(ニコニコ動画でも配信中)が始まったばかりのアニメの展示会が開催されていた。UDXビルだけでなく、秋葉原に行くと駅や街のそこら中がアニメやゲームの宣伝広告だらけで、アニメやゲームに馴染みのない者にとっては、ものすごく不思議な空間だと感じるんじゃないだろうか。世界中を見渡してもこんな街は秋葉原だけで、日本人だけでなく、アニメやゲームなどが大好きな外国人にとっても、オタク文化の聖地として秋葉原に憧れている人は多いそうだ。吹替版が世界中の多く国々でもテレビ放映されているので、若者を中心に日本製アニメの愛好家が世界中にたくさん存在する。

再開発によって、秋葉原駅周辺は最新のオフィスビル群が立ち並んでいるが、これらの中にはIT企業が多く入居していて、秋葉原は東京にいくつか存在するIT産業集中地区の一つになっている。そのため、PC製品の発表会やIT企業のプライベートイベントが秋葉原で開催されることも多い。上に書いたように、UDX Galleryと同じフロアに東京アニメセンターのいうのが在って、TSD2013の休憩時間にトイレへ行く度に、その中の開催されていたアニメの展示会が目に入った。私もアニメは大好きなので、その様子が気になって気になって仕方がなかった。秋葉原という街はつくづく稀有な存在だ。IT産業とオタク文化という普通なら相容れないものが同じ空間に存在しているからだ。しかしながら、よくよく考えると、どちらも時代の最先端を行くものなので、この2つはもしかする相性が良いのかもしれない。先端的なITの仕事に関わっている者は、オタク文化を受け入れて楽しむくらいの心の余裕を持っているべきなのだろう。

じつは、私もそんな秋葉原が大好きな一人だったりする。常駐派遣の仕事で東京に滞在していた間は、休日の度に秋葉原をぶらついたものだ。オタクグッズは買わないし店に入ったりすることもないんだけど、秋葉原という空間に居るだけで、何だかジワーっと楽しくなってくる。仕事やプライベートで気分が落ちこんでしまったときは、秋葉原に行くと気分が回復したものだ。街全体が躁状態の秋葉原という空間に居ると、自然とワクワクした気分になってくるからだ。「東京で一番好きな街はどこか?」と問われたら、迷わず「秋葉原」と答えるだろう。

GW連休直前のこの時期になぜ東京のそれも秋葉原に行ったのかというと、じつは、私自身の東京に対する気持ちをもう一度ちゃんと確かめてみたいと思ったからだ。別のブログサイトで過去に東京を批判するような記事をいくつも書いたが、それは東京が好きな気持ちが裏返し的に現れてしまったんじゃないかと、改めて自分に自問自答したりしている。やっぱり都会の文化の方が好きだし、時代の先端を行くITの仕事をするには、東京のような大都会に住むしか選択肢はなんじゃないかという気がひしひしとしている。

posted by とみやん at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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