2013年05月03日

信州移住を考えている人へ

すでに5月だというのに、信州では異常低温の日々が続いている。最低気温は0〜3℃まで下がり、最高気温は晴れても15℃前後でなかなか20℃に届かない。雲や雨だと日中でも10℃位までしか上がらないことさえある。一日のうちで気温が10〜15度も変化するので、外出時の服装の選択にすごく気を使う。厚着で出かけると、午後に気温が上がって汗だくになることがあるからだ。もっと厄介なのは、晴れていても、日が暮れると一気に気温が下がることだ。例年ならGW連休には気温が上がり暖かくなって過し易くなるのに・・・。ただし、天気予報によると、明日から気温が上がって、やっと春らしい陽気になるみたいだ。

さて、少し前の話題で書きそびれていたネタを記事にしよう。確か4/12だったと思うが、WebブラウザでGoogleニュースを開いたら(私は、Googleニュースをホームページに設定している)、地域カテゴリの中に次のようなニュースへのリンクが貼られているのを見つけたみつけた。

 移住したい都道府県 長野がV2

東京のNPO法人「ふるさと回帰支援センター」を訪れた移住希望者によるアンケート調査の結果らしい。東京限定のそれも高々1017人のアンケートなので、この結果がそれ程意味のある内容だとは思えないが、東京在住者からみると、やはり長野はもっとも身近な移住先候補地として魅力的に見えるんだなぁということを改めて知った。そう言う私も、東京に住んでいた頃は、本屋で観光案内コーナーに行くと信州のガイド本を手にすることが多かったし、田舎への移住を勧めるムック本などに信州移住者の紹介記事が載っていると、食い入るように読んだものだ。東京在住者が長野のような自然豊かな田舎に憧れる気持ちは理解できなくはない。

実際に8年間暮らした経験から、信州地方の特色(良い点と悪い点の両方)について詳しく書いてみよう。信州へ移住しようと考えている人の参考になるかもしれないので。

信州の特色について書くなら、絶対に気候のことを外すことはできない。信州は日本の中でもっとも標高の高い地域であることを知っておくべきだからだ。信州に住むということは日々この気候に耐える覚悟が必要になる。大げさに聞こえるかもしれないが、それほど信州の気候は他の地域と際立って違っている。信州(=長野県)は大きく、長野を中心にした北信、松本を中心にした中信、飯田を中心にした南信の3つの地区に分けられる(これに佐久を中心にした東信を加えて、4つの地区に分けることもある)。信州は南北に長い地域なので気候について総括するのは難しいが、いずれの地区も標高は高い。下に各地区の中心都市の平均標高を示しておく。

 長野市 521.4m
 松本市 717.1m
 飯田市 582.9m

信州地方の気候の特徴はすべてのこの標高の高さに起因していると言っても良いだろう。下に代表的な特徴を示す。

 ・年間を通して天候が不安定で、荒れた天気になることが多い。
 ・日によって気温の上下が激しく、10度以上変化することはざらにある(中信)。
 ・夏(7月〜9月)だけ気候が安定しており、湿度が低いのでそこそこ快適に過ごせる。
 ・体感的に、一年の半分(11月〜4月)は冬だと思った方が良い(北信、中信)。

最後の「一年の半分は冬」というのは、長野と松本の11月〜4月の平均気温が10℃前後かそれ以下であることを根拠にしている。10℃以下の気温では大多数の人が寒いと感じるはずなので、この表現は決して大げさではないと思っている。6ヶ月も寒さに耐えながら暮らすことになるので、寒さが苦手な人は絶対に信州に住むのは避けた方が良い(よっぽど寒さが苦手な人でないかぎり、2〜3年も住めば信州の寒さにも慣れてくるものだが・・・)。ただし、夏(7月〜9月)は気温は高いが湿度が低いので過ごし易い。日中に30℃を超えるほど暑くても夕方には25〜28℃まで気温が下がって涼しくなる。夜中から朝にかけてさらに気温が下がるので、睡眠時はエアコンを切ることができる(私は夏中エアコンを一度も使わなかったこともある)。夏の過ごし易さでは、北海道と良い勝負ができるくらい信州の夏は快適だ。別荘を持って夏だけ暮らすのが、信州を楽しむベストな方法だと良く言われるのはこれが理由だろう。次に雪についてだけど、緯度に比例して積雪量が増えると考えれば良い。つまり、北信=多い、中信=ほどほど、南信=少ない、ということだ。北信の冬は日本海側気候が色濃く出るので、特に降雪量が多い。2〜3日雪が降り続いて外出できないこともある。除雪作業は相当な重労働なので、雪が多い地域で一戸建てに住む場合はその覚悟が必要になる(マンションなら除雪は必要なく、建物の防寒対策もしっかりしているので、長野や松本ではマンションに住むことを選択する人が増えている)。南信ではほとんど雪は降らないので、除雪をやりたいない人は南信に住むのがお勧めだ。

上に示した情報から、もっとも標高が高いのは松本であることが判るが、標高が高い=天候の変化が激しい、ということを意味している。実際に、中信地域は天候の変化が激しくて、大荒れの天気になることも珍しくない。松本平は非常に狭い盆地で、しかも東西に標高の高い山脈が存在しており、一年を通して常に強い風が吹いてることもこれに影響している。松本平の強風は一日中風向が安定していることはほとんどなくて、いつも風が舞っている。水田より畑(むき出しの土)が多い地域なので、風の影響で松本平全域がものすごく埃っぽい(1時間外を出歩くだけで、肌がザラザラした感じになるほど)。3〜4月はスギ花粉も加わるので、花粉症の人は毎日つらい日々を過ごすことになる。生まれたときから松本平に住んでいる地元民は慣れてしまっているようだが、他の地域から来た者は松本平の埃っぽさに適応するのに相当苦労するだろう(私はいまだに適応できずにいる)。

気候についてはこれくらいにして、次に信州の生活環境全般について語ろう。まずは鉄道や高速道路などの交通網についてだが、これらはお世辞にも発達しているとは言えないだろう。別にこれは信州地方に限った話ではなく人口が少ない所はどこでも同じではあるが、上に書いたように信州固有の特徴として山間地域が多いことが大きく影響している。鉄道も道路もごく一部の限られた地域しか整備されていないので、これらから少しでも外れると日々の買い物さえ苦労するはめになる。特に、南信は鉄道、道路いずれも発達が遅れていてアクセスが厳しい地域だ(ただし、リニア中央新幹線が開通すれば、飯田の近くに停車駅が建設される予定があるらしい。まだ計画段階だが、JR東海は2027年に東京−名古屋間の開通を目指しているそうだ。この計画が実現すれば、南信は様変わりするかもしれない)。信州に住むつもりなら、長野や松本など人口の多い都市からそれほど距離の離れていない場所を選択した方が無難だろう。店やショッピングセンターもこういう都市の周辺に集中しているからだ。さらに、東京へのアクセスも重視するなら、新幹線が通っている北信と東信がやはりベストの選択だと思う。長野からは1時間50分、佐久平からは1時間20分で東京に行くことができる。東京で仕事を続けながら信州に住もうと思っている者にとって、このメリットは非常に大きい。実際に、ここ数年の信州の移住先として佐久が一番人気があり、佐久周辺では宅地や別荘地の開発が盛んに行われている。

続いて、信州の教育環境についてだが、残念ながら、これについては大きな期待は持たない方が良いだろう。長野県は人口全体に占める年少者(0〜14歳)の割合が非常に小さく(平成25年4月現在13.5%)、かつ、その割合は年々減少している。そのため、県全域で学校の数がすごく少ない。長野県の教育水準も全国でかなり下位の方にランキングされている。地域の教育水準というのは学校間の競争によって上昇していくものなので、子供の人口と学校の数がいずれも減少している長野県の教育水準が低下していく一方なのは仕方がないことだと言える。長野新幹線の朝早い列車に乗ると、自由席に座っている制服姿の高校生を良く目にするが、これは北信や東信の裕福な家庭が子供を埼玉や東京の進学校に通わせているからだ。ある程度の社会常識と分別が身につく高校生以上に限られるが、長野県内での教育を諦めて、寮などを持っている他の地域の進学校に子供を入学させる家庭もある(有名な進学校はこういう学生も少なからずいるので、寮を持っている所は結構ある)。いずれも月20〜30万円位の教育費がかかるので、こういうことが可能なのは裕福層だけに限られる。一般の家庭が信州に住みながら子供に高度な教育を受けさせるのは諦めるしかない。逆の言い方をすれば、子供の教育を最優先事項だと考える家庭に信州への移住を勧める気にはなれない。そういう理知的な親は都会に住むメリットを良く理解しているだろうから、就学年齢の子供がいる間は移住先として信州を選択することはまずないと思うが・・・。

続いて、信州の住民の特徴について書くが、対人の評価にはどうしてもその人の価値観が反映されてしまうので、そのつもりで読んでほしい。

信州地方と信州人を一言で表現するなら、「山々に囲まれた田舎」と「井の中の蛙」がもっとも適切だと私は思っている。2chなどに長野県批判のスレッドが立てられると(事実上決定済みのリニア中央新幹線のルートに対して横ヤリを入れたり、2014度中に開通予定の北陸新幹線の正式名称にクレームをつけている件などで、2chには長野県批判のスレッドがいくつか立っている)、この2つは必ず登場する定番の表現となっている。他の地方の住民は信州をどう見ているかはこれらの表現に集約されていると言っても良い。地図見れば判ることだが、長野県の県境すべて標高の高い山だ。小説などに良く登場する、「山国=閉ざされた世界」というイメージはそのまま信州地方にも当てはまる。実際に、信州は隣接地域との交流が極端に少なく孤立した地域だと言っても過言ではない。信州の住民自身は自分達のことを田舎者だと思っていないようだが、外の世界の価値観(特に、都会のリベラルな価値観)を受け入れるられる人は相当少ないように思える。それから、信州の住民はかなり閉鎖的だ。東京という大都会から近い地域なのに、これは意外に聞こえるかもしれないが、実際にそうなんだから仕方がない。ただし、この閉鎖性はあくまで無知から生まれているものであり、他者を排除しようとする程の積極的なものではないことはつけ加えておくべきだろう。結局のところ、「閉ざされた世界の価値観に凝り固まっていて、外の世界に対する想像力が乏しい」ということにすべて帰結している。

「信州から一度出た若者は二度と信州に戻ってこない」これは子供を持つ信州の親達の間で口コミ的に広まっている言い伝えだ。そのため、信州の親達は必死になって子供に地元で就職することを勧めるそうだ。信州にはIターン移住者は多いが、Uターンして戻ってくる者は意外に少ない。これを言い換えると、信州以外の地域に住んだことがない生粋の地元民の割合が非常に高いということになる。私がこちらに来て会って話をした人は結構な数になるが、信州以外の地域に住んだ経験を持っている人は両手で数えられる程しかいなかった。

信州での私の知人はIターン者が多いが、その人達に移住後の満足度を聞くと、「特に不満はないが、大満足という程でもない。まぁ、普通かなぁ」というのが一番多い。生活関連の評価項目の中で一番満足度が高いのはやはり住宅費の低さだろう(これがなかったら信州へ移住する価値はゼロに等しい)。信州に移住した理由として、家族のために広いマイホームを手に入れたかったからを上げる人が多い。ただし、信州にIターンしても東京の仕事をメインにしている人が多くて、こういう人ほど移住後の満足度が高かったりする。その理由は簡単で、都会の仕事の方が高い収入が得られるからだ。結局のところ、都会の仕事を続けながら物価の安い地域に住むというのが一番充実した地方ライフをできる方法だと言える。こういう生活・仕事スタイルを選択する者にとって、新幹線や高速道路などで都会に2時間以内でアクセスできるというのが非常に重要な条件になる。信州の中でこの条件を満たしている地域は、新幹線が通っている北信と東信だけなので、最近はこの2つの地域を移住先として選択する人が増えている。都会の価値観を持ったまま信州で仕事をするのはまず無理だと思った方が良い。どうしても都会の価値観を維持したいなら、周辺に店が多く生活環境の整った住宅地や別荘地に住んで、地元の住民とは浅い交流しかしないという暮らし方を勧める。実際に、信州にはこういう生活をしているIターン者がかなりの数いるようだ。ただし、こんな生活ができるのは不労所得だけで暮らせる裕福層、高収入な執筆家や芸術家、都会の仕事を持っている者くらいだが・・・。

上に書いたことをまとめると、東京のような都会から信州へ移住して満足度の高い生活をするための秘訣は次の3つに集約される。

 ・新幹線や高速道路網が発達している、都会への交通アクセスの良い地域に住む。
 ・都会の仕事をメインにして、信州の仕事はできるだけしない(収入が大きく低下するので)。
 ・地元住民とはほどほどの浅い交際しかしない(都会からの移住者とは価値観が合わない)。

「これなら都会に住み続けるのと大して変わらないので、移住なんかしない方が良いのでは?」と思う人がいるかもしれない。まったくそのとおり。北信と東信を除けば、信州は都会の生活や仕事を捨ててまで移住する程の価値がある地域ではない。関東近縁の他の地域(静岡県、群馬県、栃木県)の方が信州より新幹線や高速道路などの交通網が発達しているので、これらの地域を選択した方がよっぽど高い満足感が得られるはずだ。東京からの移住先候補として、信州地方はナンバーワンどころかワーストワンではないかと私は思っている。リタイヤ後のスローライフが目的なら信州地方も良い選択かもしれないが、たとえリタイヤしても、多くの人と積極的に交わり色々な活動にも参加するようなアクティブな人生をおくりたいと考えている人が増えている。そんな人が信州へ移住したら、東京での生活の利便性や価値観とのあまりの落差にがっかりするだろう。世間から隔絶された自給自足や仙人的な生活を望んでいる人にしか、移住先として信州地方を選ぶことはお勧めしない。

本記事の内容はあくまで就労可能世代に向けに書いているつもりで、リタイヤ移住者向けではない。就労可能世代が地方へ移住する際にもっとも重要なのはどうやって仕事を確保するかだが、その選択肢は次の3つしかない。

 (1) 移住後も、都会でやっていた仕事を続ける。
 (2) 移住先の地方で仕事をみつける。
 (3) 自ら起業して、あるいは個人事業で、ビジネスを始める。

もっとも現実的な選択肢は(1)であることに異論を唱える人はまずいないだろう。(2)を選択した場合、月収入額が最低でも10万円以上減ってしまう覚悟をしなければならない。都会と地方の企業数や仕事量の差は大きくなる一方で、いまや地方の仕事は価値の低いものばかりになっている。それに比例して地方の仕事で得られる収入額も年々低下しているので、地方の仕事をメインにした場合、生活レベルを相当落とさないと暮らしていくのは難しい。これは家族持ちには厳しい選択だ。それに、地方で仕事を見つけること自体が容易なことではない。たとえ何か特別なスキルを持っていても、そのスキルに対するニーズは人口や企業数が多い都会にしかなく、地方でそういうスキルが必要とされることはごく稀だ。また、たとえ運良く地方で仕事が見つかったとしても、その仕事がずっと続く保証はどこにもない。どの地方も経済規模が縮小しているので、企業倒産件数は増加の一途をたどっている。地方で仕事を確保できたとしても、万一の場合に備えて都会とのコネクションは絶対に維持していた方が良い。最後の(3)の選択についてだが、この方法を選択した場合も、ビジネスの取引先は大抵都会の企業になるはずだ。都会の方が圧倒的に企業数が多いので当然そうならざるをえず、ITような時代トレンド性の高いビジネスならなおさらだ。都会の取引先とのコネクションが一度切れてしまうと、それを回復するのは容易なことではない。高収入とコネンションの両方を維持するために、たとえ地方で仕事があっても都会の仕事の方を優先している企業や個人事業者は多い。という訳で、いずれの方法を選択しても「都会への交通アクセスの良さ」は地方移住者にとって最重要事項となる。地域内のほとんどが山で交通網の整備が遅れている信州地方は、この項目に対して最低レベルの評価点しかつけられない。平成13年以降はずっと長野県の転出超過が続いているのは、交通網の整備が遅れていることにより、他の地域と比較して生活の利便性がいっこうに向上しない(むしろ年々低下している)ことが大きな要因になっている。

中信と南信の市町村ではここ数年人口減少傾向が拡大しており、過疎化の流れが止まらなくなっている。この2つの地域は交通網の整備が特に遅れており、近い将来整備される計画もない。ダイヤ改正の度に、各駅停車電車の本数もじわじわと減っている。私がいま住んでいる中信地域ではスーパー、コンビニ、ファミレスなどの閉店が相次いでり、松本以外の街の中心地区はシャッター通りだらけになっている。製造業メーカーの工場も事業規模縮小や撤退が相次いでおり、経済活動も衰退の一途を辿っている。10〜20年後には主力産業は農業だけ、人口の過半数近くを高齢者が占める老人過疎地区だらけになってしまう可能性が高い。リニア中央新幹線が部分開通して飯田の近くに停車駅ができれば南信地域は復興するかもしれないが(JR東海の計画ではリニア中央新幹線の東京ー名古屋間の開通は2027年になっているが、ルート上は大深度地下トンネルや山脈貫通トンネルだらけで難工事が予想されるので、とても計画どおりに実現するとは思えない)、中信はこのままひたすら衰退していき、やがて時代に取り残された地域になってしまうだろう。

最後に、私の独断と偏見に基づく、信州地方の街の住み易さのランキングを示しておこう。ただし、いずれも実際に私が滞在したり行ったことがある街だけに限定しておく。

  1位 佐久  新幹線での東京へのアクセスが抜群に良い。駅周辺や郊外の開発が進んでいて、店も多い。
  2位 長野  県内で一番人口が多くもっとも栄えている街ではあるが、冬は雪が多く暮らすには覚悟が必要。
  3位 松本  県内で二番目に人口が多くそこそこ栄えているが、一年を通して風が強く天候が荒れることが多い。
  4位 茅野  特急列車の本数は少ないが、東京へのアクセス時間は短い。周辺に店が多い。
  5位 軽井沢 観光客向けの店ばかりで、地元民向けの店は少ない。冬の寒さは北海道並の厳しさ。
  6位 上田  駅周辺はそこそこ栄えていているが、駅から1km離れると店はほとんどない。
  7位 飯田  信州の中で一番暖かいので過ごし易い。ただし、交通の便が悪く、周辺に店は少ない。
  8位 塩尻  市民交流センターなど公共施設は整備されているが、周辺に店は少ない。風が強く天候が荒れることが多い。
  9位 諏訪  道路が狭く、車での移動が大変。諏訪湖と観光業で持っている街だが、年々寂れている。
 10位  岡谷  信州の中でも面積が小さい市。駅周辺でさえ閉店が続いて、年々寂れている。
 11位  小諸  昔は東信の中心だったが、いまでは寂れる一方。浅間山の山麓の街で、市内は坂だらけ。

佐久の1位はダントツだと思う。新幹線の佐久平駅が出来てから栄えた新しい街だが、とにかく東京へのアクセスが抜群に良いのが最大の利点。佐久から東京へ通勤している人も結構いるらしい(佐久平−東京間の一ヶ月の新幹線定期は約13万円だが、大企業なら月10万円まで交通費を補助してくれる。大宮までなら定期代約11万円で1時間で行けるので、さいたま新都心など大宮周辺のオフィスへ勤務しているサラリーマンも多い)。佐久平駅周辺や郊外の開発が進んでいて店も多く、宅地や別荘地も開発されて年々増えている。いまや東京からのIターン移住者にとって信州の中で一番人気があるのがこの地域だ。新幹線の駅が出来る以前の地元住民の人口は少なく、そこに多くのIターン移住者が加わってできた街なので、Iターン者にとって住み易いのは当然かもしれない。多摩センターみたいな東京郊外の新興の街を小さくして、そのまま信州に持ってきた感じをイメージすれば解り易いだろう。軽井沢にも近いので、夏は軽井沢の大型ショッピングセンターや商店街まで車で買い物に出かける人も多い。夏の軽井沢は東京からの観光客だらけだし、左記のような現在の佐久の成り立ちもあって、この2つは都会的な価値観に対して抵抗感を持っている地元住民が信州の中で一番少ない地域だと言える。
posted by とみやん at 10:57| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
軽井沢に定住を検討している中辿り着きました。
佐久平駅をベースに車で15分程度の町もいいかな、と思っていたので、大変参考になりました。現在海外在住のため、ネットでしか情報収集出来ない中、忌憚ないご意見は助かりました!
Posted by ちかお at 2014年02月27日 23:55
ちかお様

コメントを頂きありがとうございます。本記事がお役に立てたのなら何よりです。

信州に定住するなら、やはり佐久が一番お勧めです。都会的な価値観を持ったまま住みたいなら、佐久か軽井沢しか選択肢はないと思います。佐久はそれほどでもありませんが、軽井沢の寒さは北海道並なので、この点を十分に考慮してください。信州の他の地域は(悪い意味で)田舎そのものです。新幹線を利用すれば佐久平から東京まで1時間20分で行けるので、佐久には東京の取引先を相手にビジネスをしている人も住んでいます。また、週末は日帰りで東京へ遊びに行く若者が結構います。東京のメリットを享受しながら住むには、信州では佐久がベストの選択です。

信州はいまだに村社会的な価値観を持っている人が大多数です。そのため、都会的な価値観を持っている人は地元民との摩擦が必ず起きます。海外在住経験者なら日本社会は息苦しく感じるはずです。そんな人が日本の地方に定住するなら、自分自身の価値観を変えてしまうか、あるいは、新しい価値観を受け入れることに積極的な地域を選ぶかのどちらかしかありません。後者のような地域は数は少ないですが、ググればいくつか見つかります。信州は何処も保守的で、こういう地域は皆無です(何とか変えよう動いる街はありますが、旗を振っても住民がついてこないという感じですね)。

信州に憧れる人は多いですが、実際に住んでみると、気候の厳しさや地元民との価値観の差に耐えられず、3年以内に転出してしまう人がかなりいます。気候は毎日のことなのでじわじわと効きますし、都会的な価値観への反発は根強く残っていて、田舎ではそういう人や家族は村八分的な扱いを受けることもあります。そのくせ、若者は都会への憧れが強く、ほとんどが県外就職を選び(長野県内にはろくな就職先がないからですが)、中高年者は信州以外の温かい場所でリタイヤ生活をおくりたいと思っていたりします。

地方に定住するにしても、仕事がなければ収入は得られないので、都会へのアクセスの良さは最優先事項と考えるべきです。長野県では東信・北信以外の地域はこの点は最低です。新幹線と高速道路網の両方が行き渡っている地域を定住場所に選んだ方が絶対に良いです。リゾート、別荘地、宅地などの開発も交通網が整備されている地域が優先されています。「地方の時代」という言葉が流行った時期もありましたが、そんな時代はとっくの昔に終わっています。人口や経済活動は都会に集中する傾向が益々強くなっています。いまの時代は「都会との関係性を維持しながら、いかに地方ライフのメリットを享受するか」という視点で考えるべきです。そうでないと、地方へ移住してもきっと後悔するでしょう。家族の意見も尊重すべきですが、女性や子供は人間関係を重視するので、都会生活から離れることに強い抵抗感を持ちます。「地方は物価が安い」と良く言われますが、それは住宅費だけの話です。都会でも工夫をすれば清貧生活をすることは可能だと思います。仕事面では都会に住んだ方が圧倒的に有利です。地方なら低収入でもリタイヤ後に豊かなスローライフがおくれるのではないかと考えいる人が多いみたいですが、それは単なる幻想です。働かなくても生活できるような十分な貯蓄や資産を持っていれば話は別ですが、年金だけでは豊かな生活なんか営めません。リタイヤ後もそこそこの収入を得る手段はどうしても必要です。高収入を得る手段は都会とその周辺にしか存在しないのが実情です。地方に住むメリットが本当にあるのか、良く考えて決めることをお勧めします。

これは私の持論ですが、地理的条件と住民の性質は関連性が高いと思っています。山国は閉鎖的なのに対して、海に面している地域は開放的な考え方を持っている人が多いです。地方の中都市は大抵海か大きめの川に面している地域に存在します(江戸時代までの交通網は海か川だったので当然ですが)。山国は他の地域との交流が少ないのに対して、海に面した地域は歴史的にそれが盛んです。そのため、住民の意識に差が出るのでしょう。信州人は他者への寛容性が低いように思えてなりません。もし私が移住することがあったら、次は港街か街中を大きめの川が流れている所にしようと決めています。
Posted by とみやん at 2014年03月02日 11:06
Uターン転職後、会社で面白くないことがあり、色々調べていたところ、此方に辿り着きました。東京生活は18年でUターン転職しました。18年という月日は私自身が変わってしまったのかと思う程、価値観等の違いに驚いています(北信地方で積雪がある地域です)
生まれ故郷と云う以外では住むメリットがまるでないことに早く気付けば良かった気がします

仕事の面では現在工場に勤務していますが給料は20万位で色々引かれて17万円、実家住まいなので家賃はかかりませんが生活費を入れて尚且つ保険や自動車関連(ガソリン代含む)で数万円掛かってます。
東京では定期券を会社から支給されていたので、休みの日も使えたりして結構便利だったのて自動車関連の出費は正直痛いですね。そこに追い討ちをかけるようにスタッドレスタイヤ代が掛かります。
信州はあまり雪の少ない地域でもスタッドレスタイヤは必須ですのでそのことも注意された方が良いと思われます。
なにせクルマ社会ですから人が歩くようにクルマを動かします。だからかもしれませんが肥満の方が結構見受けられますよ。
信州へ移住されようと思う方はいつでも都市へ逆戻り出来る、そんな経済的余裕がある方に限ります。
Posted by てくのぼう at 2016年01月24日 20:48
本当に長野県全体を見たのか怪しい記事。利便性の視点からしかものを見ていないし、いくら個人の意見とはいえ、4月が冬とは思えない。特に県民性に関しては、長野県が広いことが分かっているなら、北から南まで、すべての人達を見て「井の中の蛙」と言っているのか?さすがに中年層がそれに当てはまることには心当たりがあるが、私の学生生活の経験上、私の同年代及びそれより年下の世代が「井の中の蛙」には見えなかった。何しろ今はインターネットがあるしグローバル社会。いくら山に囲まれた場所とはいえ、インターネットがあればもはや土地が開放的だの閉鎖的だの関係ない。長野県内に留まっていてもインターネットがあれば東京のことなんていくらでも分かる。まあ要は、コミュニティーよりもプライバシーが重視される時代に生まれ、方言すら喋らなくなった若者はもうみんな都市的な性格になっているところを見落としている気がする。
Posted by … at 2016年07月26日 22:38
「4月が冬とは思えない」というのは信州の気候に慣れている人なら、そういう体感かもしれません。しかし、信州は4月でも1〜2回は雪が降ります(暖冬の年を除く)。4月前半の最低気温は大抵5℃前後で、それ以下のこともあります(寒い年だと零下になることも)。温かい日は最高気温が20℃を超えることもありますが、雨や曇りだと10℃前後です。最低・最高気温どちらも10℃以上になるのは4月の終わり間近からです。温かい地方と比較すれば、こういう気候は体感的に冬だと表現する方が適切ではないでしょうか。

信州の若者の性格は都市的でも、物事の考え方はやはり「井の中の蛙」だと思います。あくまで、都会の若者と比較しての話ですが・・・。「インターネットがあれば東京のことなんていくらでも分かる」と言っても、それは単なる知識情報です。知識情報はその人の性格にまで大きな影響を及ぼすことはありません。知識情報と実際に都会に住んで経験するのとは大きな差があります。性格はあくまで個人に帰属する事です。私が本記事で言っているのは、信州人の性格ではなく、物事の考え方や価値観の傾向の事です。

それから、軽く流している「さすがに中年層がそれに当てはまることには心当たりがあるが」という記述がすごく気になるのですが。これって、地元の若者の目からも、信州の中年層には「井の中の蛙」的な人がそこそこいるように観えるということですよね。社会を動かしているのはその中年層なんですよ。地元に就職すれば、そういう古臭い価値観を持つ中年層の下であなた達は働くのですよ。長年そういう環境にいると、その価値観を段々と受け入れて、あなた達もそれに染まってしまうんじゃないですか(そういう価値観を受け入れない人は組織からはじき出されてしまいますけどね)。こうやって地域の価値観は継承されていくのです。これを何とか変えようと一生懸命動いてる若者がいることは知っています。しかし、地域性に根ざす人々の価値観は根が深くなかなか変わらないものです。人々の地域性にはもちろん良い面もありますが、悪い面は若年層が積極的に動かないかぎり決して変わらないと思います。若年層の多くが「どうせ何をやっても無駄」と諦めているようでは、信州人の古臭い価値観はこれからも継承されていくでしょうね。
Posted by とみやん at 2016年08月05日 22:41
都会から移住するなら佐久というのは納得です。
そもそも、そういう目的で整備された街なので、都会の価値観で生活しやすいのかもしれません。

「井の中の蛙」に関しては、田舎育ちの私が、多くの東京育ちの人に対しても感じることなので、お互い様だと思っています。
田舎が無知ならば、都会は経験不足といった感じでしょうか。都会の価値観以外を認めることができないという印象があります。

都会の価値観を変えることはそう簡単ではないということが、佐久が移住に向く理由でもあるんでしょうね。。
Posted by 通りがかりの人 at 2017年02月08日 01:07
たまたまこのページを見つけたのでコメントします
私は在京18年で長野にUターンした者です
長野にいた年数と同じ年を東京で過ごしたことになります(個人的には移住と思ってます)
此方の記事を読んでいちいち納得しました
特に閉鎖的な点は若い人にも云えますね
長野で職場を見つけて働いて居るのですが地元民は仲間みたいな集まりを作りたがりますよね
で、それ以外の人とはロクに口をきかない
これには閉口しました
あとは休憩時間での悪口、、、
自分もこの県の出身者なのですが何故か違うとずっと思っています
東京にいた時よりストレスが溜まります
なので自分が話をする人は関東からの移住者や東京からUターンした人ばかりです
ああ、こんな地方になんで来てしまったんだろうとも思ってます
まあ、余所を知らないのですから悪気はないのかもしれませんが
Posted by 世田谷区民 at 2017年06月04日 17:20
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