2014年04月23日

Tripod Commuication Day 2014に参加してきた

前の記事から一ヶ月空いてしまいましたが、本業の仕事の関係で、じつは、またしばらく信州を離れることになりまりした。いまは横浜に滞在しています。守秘義務があるので、本業の仕事について公開することはできませんが、近いうちに近況報告的な記事を書くつもりでいます。先に今日の動きについて記録を残しておきます。

本日東京・秋葉原で開催されたTripod Commuication Day 2014(TCD2014)というイベントに参加してきました。仙台の新興ベンチャー企業トライポッドワークス株式会社の自社製品の紹介や事業計画などをパートナー企業向けに発表するプライベートイベントです。ITイベントに参加したのは久しぶりが、ESECやETなどの一般者向けのイベントとは異なり、こういうイベントに集まるのは主催企業の関係者や報道関係ばかりです。同社は毎年東京でこのイベントを開催していて、私は去年の「Tripod Solution Day 2013(TSD2013)」にも参加しました(2013/04/24の記事)。

TCD2014のプログラム開始時刻は13:30でしたが、仕事の都合でどうしても早く行くことができず、16時に横浜を発ち、開催場所の秋葉原UDXギャラリーに着いたのは17時頃になってしまいました。結局最後のプログラムの『IT系メディアの編集長たちが語る、ITトレンドの今とこれから』というパネルディスカッションだけしか参加できませんでしたが、プログラム進行が遅れていたようで、丁度このパネルディスカッションの開始時に会場に入ることができたのはラッキーでした。
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去年のTSD2013でも刺激を受けて、参加して良かったなぁと思ったものですが、今年もいくつか得るものがあり、またしても色々と考えさせられました。特にパネルディスカッションの参加者が述べた以下の2つの意見が強く印象に残りました。
  1. 新製品の発表だけで膨大なページビュー数を稼げるのは、もはやApple社の製品くらいしかない。「このソフトウェア(やサービス)を使うと、従来の同種の物より1万倍の効果がある」というような具体的な利用対効果の数値が示されていないと、製品発表ニュースのページビュー数は大きく伸びない。「1万倍」なんて誇張しすぎの数値に聞こえるかもしれないが、(多少の誇張はあっても)大きな注目を集めるにはこれ位の数値は必要だし、革新的な製品なら本当にこういうレベルの利用対効果を生み出すことはある。

  2. 日本のメーカーにはまだまだ優秀な技術者は残っている。ユーザーの利用形態を根本的に変えるような「プラットホーム・チェンジ」型の製品やサービスを作ることができれば、日本の企業が躍進できるチャンスはあるんじゃないか。ただし、こういう製品やサービスは「ビジネスモデル」優先の企画や開発をやらないと生み出すことはできないと思う。

1の意見について「なるほどなぁ」と思ったのは、ソフトウェアやサービスの利用対効果を具体的な数値で示さないと製品情報の価値は低くなるという点です。他社の同種の製品と比較して優れている点だけ羅列することが多いですが、そんなことはどの製品でもやっています。ユーザーが本当に知りたいのは、その製品を使ったときの具体的な利点です。こういう数値を計測するには、ベータ版やプロトタイプレベルの製品をリリースして、できるかぎり多くのユーザーから利用情報を収集するしか方法はありません。あらかじめ利用対効果の数値をちゃんと計測することは、その製品を正式リリースしたときにどれ位売れそうかという予測にも役立ちます。利用対効果の数値を計測せずに、いきなり製品を正式リリースすることはバクチと同等の行為だと考えるべきです。他の製品を圧倒するような革新的な機能でも持っていないかぎり、その製品が売れる保証などどこにもありません。さらに言えば、たとえ革新的な機能を持っていたとしても、ユーザーがその機能を使いこなせるのかという問題もあります。どんなに優れた機能であっても、多くのユーザーが使ってくれなければ何の意味がありません。多大な時間を使って作り上げた機能なのに、それを使ってくれるユーザーはほとんどいなかった。ベンチャー企業の製品が失敗するパターンの中で、じつは、これが一番多いケースらしいです。これは、ソフトウェアやサービスだけでなくハード製品でも良く起きるケースです。他社より優れた機能を持っていたのに市場から消えていった製品はごまんとあります。優れた機能を実現することよりも、いかにユーザー・フレンドリーな製品を作るかが最優先事項なんだと肝に銘じて、エンジニアは日々の仕事をすべきだと思っています。

やはり元気なベンチャー企業の生の声が聞けるイベントに参加すると、大きな収穫が得られることが多いです。今後はこういうイベントを選んで参加していこうと強く思いました。

去年の夏にKindle Paperwhiteを入手して以来、すき間時間の多くを読書に使っていますが、最近は「スタートアップ」系の本ばかり読んでいます。一般人には「スタートアップ」より「ベンチャー」という用語の方が馴染みがあるでしょうが、Googleトレンドで調べると、最近は「ベンチャー」より「スタートアップ」というキーワードの方が検索件数は3倍位多くなっています。アメリカでは、スタートアップ企業のほぼすべてがWebやクラウドサービス系製品の開発を出発点にしています。日本でも同様の状況ですが、、最近になって、デバイス(ハード)製品の開発を目指すスタートアップ企業も出現してきているようです。ただし、既存の製品とはかなり毛色の異なるモバイル機器と連携するガジェットやウェアラブルデバイスなどです。スタートアップ企業に共通点があるとすれば、いずれもニッチ性の極めて高い製品やサービスで挑戦を始めていると点と、とにかく早く製品を市場に出すことを目指している点でしょう。市場をできるだけ限定化して、超短期間で開発した製品をさっさとリリースする。早期に利益を確保するために、最適な手段とコースを選択している訳です。これがスタートアップ企業の共通戦略です。ベンチャー企業の経営者から「最初の1〜2年はまったく製品が売れず、とにかく耐え忍んだ」なんて苦労話が出ることが良くありますが、スタートアップ企業にとってはこんな話は無縁の世界です。最初の1〜2年できるだけ大きな利益を確保して3〜5年以内に会社を売るというのが、アメリカのスタートアップ企業の標準コースになっています。そして、会社を売って得た資金を元手にして、さらに新しいスタートアップを始める。このサイクルを3回も繰り返せば、サラリーマンの生涯賃金をはるかに超える資産が得られ、残りの人生は働く必要がなくなる。アメリカでは、30代のうちにここまで到達してしまう人がどんどん現れています。「どうやってスタートアップを始めるか」最近はこればかり考えていて、ググっているうちに、日本国内のスタートアップ企業とその製品情報を目にすると、憧れの気持ちが沸き上がってきます。

私は東京ビッグサイトや幕張メッセなどで開催される大きなITイベントに行く気力はもう無くしました。(年寄り臭いですが)歳をとって、混雑するイベントへ行くのが億劫になってしまったいうのもありますが、こういうイベントを見学しても、結局残るのは疲労感だけで、実になりそうな物を得られることはまずないと悟ったからです。ESECやETみたいなITイベントへ行くなら、参加するのはカンファレンスやセミナーだけにすべきで、展示会場を観て回っても収穫はほとんどないと思っています。各展示ブースに提示されている製品情報などはWebページで得られる情報と大差ありません。それに、展示会場を一周回っだけで、私は必ず「もう、これでいいやー。疲れたので出よう」という気分になります。同じような経験を持っている人は多いんじゃないでしょうか。大きなITイベントは一種のお祭りだと思いますが、祭りを本当に楽しめるのは見学者ではなく展示者側の立場の方です。展示企業にとって、こういうイベントは既存製品や新製品を大々的にアピールできる絶好機会です。私も一度だけ知人の会社を手伝うために3日間展示者としてESECに参加したことがあります。そのときはものすごく疲れましたが、閉会時にはそれなりの充実感を味わえました。こういうイベントで展示者として多くのブース来場者(そのほとんどは初対面の人)と話すは、なかなか味わえない貴重な体験でした。イベントの閉会後に主催者から集計来場者数8万人とか発表されますが、結局一人の見学者は8万分の1の存在でしかありません。天邪鬼な意見ですが、一般者としてITイベントへ参加する価値は来場者数の多さに反比例すると思っています。Developer Summitのような来場者数千人程度のイベントが、一般参加者が充実感を味わえる限界じゃないでしょうか。この規模のイベントなら、自然に参加者同士が集まってグループができ交流が生まれる余地はまだありますが、来場者が一万人を超えてしまうと、特定のグループ内でしっかりと連絡を取り合って、あらかじめ会合の予定などを決めておかないと参加者同士が交流を図るのは困難です。
posted by とみやん at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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