2012年12月20日

Qt 5 正式版リリースされる

ついに、昨日(12/19)Qt 5の正式版(5.0.0)がリリースされたようだ。左のリンクがQt Projectサイトに開設されているQt 5の紹介ページで、Digia社のサイトにも開発メンバーの写真と伴に、Qt 5正式版リリースの発表記事が掲載されている。

Qt 5のBeta 2がリリースされたのが2012/11/13だったので、たった一ヶ月で正式版リリースに到達したことになる。こんなに早くQt 5の正式版がリリースされるとは予想外だ。私は早くても来年年明けになるじゃないかと思っていた。何だかDigia社の政治的な意図を感じてしまって仕方ないだが・・・。

Qt 5の登場は、Android vs アンチAndroid勢力の本格的な戦いのゴングが鳴ったということを意味している。前記事で紹介したSailfish OSのUIはQtベースだし、TizenのUIはそうではないが、Qtベースのアプリケーションを動作させることも可能らしい。これらのモバイルOSのリリースも来年早々に計画されているので、Qt 5正式版の年内リリースは、このような動きを支援することが目的なんじゃないかと思えてならない。いずれにしても、Qt 5の登場によってアンチAndroid勢力の動きが益々活発になっていくことは確実だろう。また、来年早々にもAndroidとiOS向けQtをリリースすることをDigia社がアナウンスしている(「Qt Android」というキーワードでググってみると、KDE Necessitasというオープンソース・プロジェクトが見つかった。Android向けQtはこのプロジェクトの成果を取り込んでいるようだ)ので、こちらもアンチAndroid勢力の動勢にどんな影響を与えるか楽しみだ。

私がAndroid以外のモバイルOSに興味を持って調べ始めたのは、本業の仕事でQtの移植・開発をやることになったことがきっかけだった。ググって知った情報は、「Qt」→「MeeGo」→「Tizen」→「Sailfish OS」→「Firefox OS」とつながっている。ここに来て、アンチAndroid勢力の動きが一気に活発化していることを知り、「これらの勢力に参加するなら、いましかない」と確信したことが、前の2つの記事を書いた動機でもある。

話をQt戻すが、どうやら本業の仕事でもQt 5の移植に取り組むことになってしまいそうだ。ターゲットハードウェア上にWebブラウザでのYouTube動画再生環境を構築することがいまの仕事の最大の目標なんだけど、Qt 5ではQtWebKitのパフォーマンスが大きく改善しているらしい。後日別の記事に書くつもりでいるが、じつは、別のターゲットボードへのQt 4.8.3の試し移植が済んでいて、すでにQtWebKitによるYouTube動画再生環境を構築することに成功している。しかし、このターゲット環境では動画再生中のフレーム落ちが激しくて、実用にはほど遠いパフォーマンスしか出ていない。Qt 5に内包されているQtWebKitなら実用的なパフォーマンスでYouTube動画再生ができるのかどうしても試さざるをえないので、Qt 5の移植は避けて通れない道になりそうだ。

Qt 5正式版リリースが出てしまったことにより、今度の年末年始は休日返上で仕事をやらざるをえなくなってしまった。いまやっている実機ターゲットへのQt 4移植作業を早く片づけてしまわなくてはならないからだ。Qt 5正式版のリリースはできたら年明けにしてもらいたかったんだが・・・。うーん、仕方がない。やるしかないかぁ。
タグ:QT
posted by とみやん at 12:22| Comment(0) | TrackBack(0) | OSS研究 > Qt